乙女は今日も夢を見る

血文字を意識して、赤いペンキで書いてみたのがいい味を出している。

それに書道部の岸本さんに書いてもらったのも功を奏し、うちのクラスの看板は一際目立っていた。

ガラッ。

教室へと足を踏み入れると、電気はついているのに中は若干薄暗い。

化学室で使われなくなってた遮光カーテン借りてきたかいがあったな…。

「あ、高梨さんおはよ〜」

「おはよう」

私が入ってきたことに気づいた如月さんと花木さんが笑顔で挨拶をしてくれる。

「おはよう如月さん、花木さん…!」

私もそんな2人に笑顔で挨拶を返した。

「いや〜うちのお化け屋敷中々の出来だよね〜、頑張ったかいがあったわ」

「わかる、わかる。そう言えばハナ、料理部は何時から手伝いに行くんだっけ?」

「午後からだよ!唯南と高梨さん達のクッキー押さえとくから任せてよ」

ニヤリと笑う花木さんに私も「ありがとう」と声をかけたのとほぼ同時に、ガラッと教室の前の扉が開き、担任が教室に入ってきた。
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