乙女は今日も夢を見る
「おはよう。皆、揃ってるな!今日と明日の文化祭、思いっきり楽しんでほしいが、羽目は外しすぎないようにすること。それじゃ、10時からはお客さんも入ってくるから、学級委員を中心に最後、準備を進めてくれ」
「「はーい」」
担任のひと声で、教室内での最終準備が始まる。
ちなみに私達のお化け屋敷は午前中、午後の二交代制。
クラスを半々のグループにわけ、お化け役や、受付の仕事をすることになっている。
私は、如月さん、花木さんと同じ、午前グループで、お化け役をする予定だ。
「午前グループのお化け役の人は、準備はじめて?」
そう皆に声をかけているのは、観月くん。
体調もすっかり良くなったようで、テキパキと仕事をこなし、皆に指示を出している。
「観月くん、おはよう。今日から文化祭頑張ろうね!」
私はそんな彼に近づくと笑顔でそう声をかけた。
「高梨さん…おはよう。うん、そう…だね。てか、高梨さんは午前グループでしょ?ここは俺に任せて空き教室で着替えてきなよ」