乙女は今日も夢を見る
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「ねね、気になってたんだけど…高梨さんって観月くんと仲良いよね〜。さっきもなんか二人で話してたでしょ?ちょっと良い雰囲気だな〜って思ったんだよね!」
空き教室内、お化けメイクをしてくれる花木さんが唐突にそんな話題を振ってきて、私は思わず目を見開いた。
「…あ!ダメだよ〜。今アイメイク中まから目はつぶってて!」
「ご、ごめんなさい」
彼女に注意され、私は慌てて目を閉じる。
えっと…これはなんと返すのが正解なのだろう…?
花木さんは、たぶん何気なく興味本位で聞いているんだろうけど、周りには他のクラスメイトもいるし…中には観月くんに好意を抱いてる女子もいるはず。
それに下手に「仲良しだ」と答えて周りに勘違いされてしまったら、観月くんにも迷惑がかかってしまう。
「ハナってばすぐそっち方面に話持っていきたがるよね〜高梨さん、観月とは学級委員一緒だし、やっぱり話す機会も多いでしょ?仲良くなるの普通だって」