乙女は今日も夢を見る
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「ありがとう。如月さん、皆の勢いで上手く説明できなかったから正直助かったよ…」
空き教室で、お化けの衣装を着替えているのは私と如月さん。
花木さんは料理部に行くため、他の女子たちそれぞれ予定があるらしく、急いで制服に着替えると教室を出て行ってしまった。
そのため、今は如月さんと二人きり。
「気にしないで?というか、ハナがごめんね。あの子、恋バナ大好きで…。悪気はないんだけど猪突猛進な所あってさ」
アハハと、苦笑いを浮かべる如月さんに私は小さく笑みをこぼす。
「うん、全然大丈夫。花木さん、良い人なのはわかってるし。それに、ちょっと中学時代の友達に花木さん似てるんだ〜」
「もしかしてさっき話に出てきた子?花鈴ちゃん、だっけ?」
「そうなの。花鈴も恋バナ、恋愛ドラマ大好きでね…!なんか花木さんと話してると花鈴を思い出して微笑ましいんだ」
「そっか〜…、高梨さんがそう思ってくれてるならよかった。ハナもわりかしズバッと言う性格で誤解されたりすることも多くて」