乙女は今日も夢を見る
「そっか…。私はズバッと言える所、すごいなって思うよ。私が逆にそういうの苦手だから…」
私の場合、花木さん達とは逆にハッキリものを言えないタイプ。
しかも途中で「伝わらなかったらしょうがないよね」と諦めてしまうクセが昔からあった。
だから、ぼっちの時も「事故にあったし、皆より遅れて高校生活始まったから、友達ができなくてもしょうがない」って勝手に線を引いて…。
今、考えるとそうやって友達ができない理由を決めつけて、自分自身を納得させようとしてたんだよね。
「何言ってんの。高梨さんは、虎太郎を助けてくれたじゃん。普通できないよ…車が来てるのに飛び出して助けるなんて」
「あ、あれは火事場のバカ力…とでもいいますか」
「ふふ。でもそうやって行動に移せる人そういないと思う。実はあの日、私も事故現場の近くにいたんだ…。登校中だったんだけど…遠目だったのもあって最初、引かれそうになってるのが虎太郎だって気づかなくて…」