乙女は今日も夢を見る

いやいや、そっちのほうが駄目でしょ。
そもそも前提が間違ってるもん。

そう思い、私がキッパリ断ろうと口を開いた瞬間。

「そっちならいいですよ」

と、先に彼女たちに答えたのは咲人だった。

は…!?何言ってんの!?

開いた口が塞がらない私を横目に。

「え…!いいんですか〜!?」

「よかったです…!お二人共美男美女でお似合いだし…!」

と、参加の承諾を得たことがよほど嬉しかったのか社交辞令を振りまく彼女たち。

「じゃあ、カップルコンテスト15分後、野外ステージでするので…!行きましょう〜こっちです!」

キャッキャッと嬉しそうに案内してくれる二人を見ると、すでに断りづらい雰囲気になっていて私はサーッと血の気が引いた。

「ちょっと咲人…!目立つの嫌なんじゃないの!?私も嫌なんだけど…」

慌てて咲人に小声で、声をかけるも「悠理が出てあげればって言ったんじゃん」と笑いながら屁理屈を言う始末。
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