乙女は今日も夢を見る
実は、今日…俺が如月に嫌われてる理由(ワケ)、つまりは俺の中学時代の出来事を話そうと思って高梨さんを呼んでいたんだけど…。
なんだか、中学時代の繰り返しのように感じ、頭が痛くなる。
中学時代、俺には仲良しの女友達がいた。
名前は早瀬璃奈(りな)。
中2で同じクラスになってから、初めて仲良くなった女子。
早瀬は、大人しそうな見た目とは裏腹にわりとズケズケモノを言うタイプで、話してるのも気楽だったし、一緒にいると楽しくて。
中3になり、クラスは離れてしまったけど彼女との友達関係は続いていた。
その頃、ちょうど怪我で部活を辞めていた俺。
その時くらいから、璃奈を教室まで迎えに行き一緒に帰るのが日課となった。
『早瀬、帰ろうぜ』
そう声をかけると。
『うん!』
と必ず笑顔で待ってくれていた早瀬。
けど、その時の俺は全然気づかなかったんだ。
周りの彼女を見る冷ややかな視線に。