乙女は今日も夢を見る
『うん…』
咲人のことはもちろん好きだし、私にとって大切な存在。
けど、やっぱりこの気持ちは"友達"としてのものだと…観月くんに告白された時に痛感した。
『悠理、一応分かってると思うけど…咲人のためを考えるならちゃんと返事してあげな?曖昧にする方がよくないわよ?』
『…そうだね』
花梨からのそんなアドバイスもあり、咲人に自分の気持ちを伝えるべく今日彼を呼び出したというわけだが…。
いざ、咲人を前にするとなんと切り出したら良いかわからなくて戸惑う自分がいる。
でも、いつまでもウジウジしていてもしょうがないと、咲人が注文したアイスコーヒーが届いた時点で私は口を開いた。
「あの…咲人。この前の文化祭の時は荷物持ってきてくれてありがとう。あと私ね…実は咲人に伝えたいことがあって…」
「…ん、何?もしかして観月に告白されたとか?」
「……!!」
「フッ、だから悠理はわかりやすすぎ。そっか…観月、ちゃんと言ったんだ」
私が思わず目を見開いた瞬間、クスッと微笑む咲人。
本当にこの前のカップルコンテストでのことと言い、エスパーなのではないかと疑ってしまうレベルに察しがいい。