乙女は今日も夢を見る

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『行ってきまーす!』

真新しい制服に身を包み、私は意気揚々と玄関先で母に声をかける。

『悠理、行ってらっしゃい。入学式までにはお母さんも顔出すからね〜』

『わかった…!それじゃ、また後でね』

母に見送られ、私は期待に胸を膨らませながら自宅を後にした。

本日、4月7日。

今日は、高校の入学式当日。

…ふふ。楽しみだな〜。

食堂でご飯食べたり、部活も興味あるし…。

それに、まずは新しい友達たくさんできるといいな!

学校へと続く道すがら、私はこれから始まるであろう楽しい高校生活に期待を募らせる。

しかし、まさかその数分後。

ある出来事に巻き込まれたことで、私の思い描いていた高校生ライフに影が差すことになるなんて…この時の私は夢にも思っていなかったんだ。
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