乙女は今日も夢を見る
「ちなみに、高梨さんは何かやりたいのとかある?」
「…え、と。そうだね。うーん、パッとは思いつかないかな…。逆に観月くんは何かある??」
唐突にそんな質問をされ、一瞬考えてはみたものの気の利いた答えも思い浮かばず、私は同じ質問を観月くんに投げかけた。
「俺?そうだな…。せっかくなら、クラス全員で協力できるような出し物がいいかな…!まだ、俺達も入学して数ヶ月程度だし。あんまり話したことないクラスメイトも多いじゃん?だから皆で楽しめればいいなって思うよ。せっかくの高校初めての文化祭だし」
観月くんって…本当にすごいなぁ。
彼の返答に私は思わず関心してしまう。
だって、そんな立派なこと普通は言えないよ。本当にクラスメイト達のことを真剣に考えてないと出ない言葉だと思うし。
やっぱり、観月くんみたいな人がクラスをまとめるべきだ!と改めて実感した瞬間だった。
しかし、それと同時に…。
私が同じ学級委員で大丈夫かな?
と、さらに不安が増した瞬間にもなったのだが…。