乙女は今日も夢を見る
やっぱり新学期だからか、人が多いな〜。
最寄りのバス停についた私は、キョロキョロと辺りを見回す。
バスの列に並んでいる人の中には、私と同じ高校の制服を着た人もいれば、スーツを来ているサラリーマン風の人の姿も目に入ってくる。
皆それぞれ、通勤、通学途中なのだろう。
そんな人でバス停はごった返していた。
うわぁ…。
これじゃ、バス乗るのキツそう。
私が通う高校までは、大体バスで15分ほど。
学校の目の前にバス停があることは有り難いが、そこに行くまでは今日から毎日、通勤ラッシュに堪えないといけない。
まぁ、皆このラッシュに堪えてるわけだから、私も頑張らないと…!
初日から滅気そうになりつつも、気合を入れ直した私はバスが来るのを待っていた。
その時。
『キャッ!危ない…!!』
すぐ近くからそんな女性の叫び声が聞こえ、私はとっさに声のする方に視線を移す。