乙女は今日も夢を見る
二人に聞かれたため、私も素直にそう答えた。
すると…。
「…ん?観月“くん”って…もしかして初めてできた友達って…男子なの?」
花鈴が少し驚いたように尋ねてくる。
「うん、そうだよ。観月彼方くんって言うんだけど…」
花鈴が何を驚いているのかよく分からなかったが私は観月くんのフルネームを二人に伝えた。
「ふーん。観月彼方…ね」
今度は、咲人の声色が若干、低くなったような気がして思わず私は首を傾げる。
「二人共どうかした…?」
「ううん!何でもないの!ただ、男子って思って話してなかったからちょっとビックリしただけ。気にしないで?ね、咲人」
「あぁ…。そうだな」
慌てたように声を上げる花鈴に対して、咲人も肯定の意を示しているが、先程と打って変わって口数が減ったように感じた。
「咲人、なんか急に元気ない…?もしかして疲れてたのに無理に電話付き合わせちゃった…?」