乙女は今日も夢を見る

「私、猫好きだから羨ましいな〜」と大きな声で話し出す花鈴。

「あぁ…!おもちね。実は今日も帰りがけに様子を見に行ってきたの。そしたら裏庭の木陰でゴロゴロしててね。可愛かったな〜」

クスッとその光景を思い出し、私は小さく笑みをこぼした。

「最近は、餌をもらえるの学習したのか放課後はよく見かけるんだ〜」

「へぇ、そうなんだ…!そういえばさ〜咲人も動物好きだったよね?せっかくだし、今度おもちちゃん見に行ってみれば?」

少し含み笑いで花鈴が咲人にそんな提案をする。

「いや、花鈴。他校の部外者が勝手に入っちゃダメだろ…」

「大丈夫でしょ。悠理の高校大きいしさ〜バレないって。ね、悠理?」

花鈴に話を振られ、私は一瞬考え込むも。

「大丈夫じゃないかな…?あ!でも、その裏庭、フェンス越しからだったら外からでも見えるよ」

と2人に対して返答した。
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