乙女は今日も夢を見る


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「あ、高梨さんおはよう」

「おはよー」

「お、おはよう…観月くん、畠中くん」


翌日、教室に入った私の姿を見つけた観月くんと畠中くんは、フレンドリーに声をかけてくれる。

少し吃りつつ、私はなんとか2人に対して挨拶を返した。

観月くんだけじゃなく、畠中くんまで…やっぱり2人とも良い人だな。

席について、スクールバッグの中から筆箱等必要なものを取り出しながらそんなことを考えていると。

「あのさ、高梨さん、明日なんだけど…畠中にもおもち見せてもいいかな?畠中、明日部活急遽休みになったらしくて…実は猫好きなんだよ、畠中」

私の前の空いている席に腰を下ろした観月くんがそう尋ねてきた。

別に私が飼っている訳では無いし、「うん、いいよ」と気軽に答えようとした時、ハッとする。

…そうだ、明日は花鈴と咲人と約束してた日だ。

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