乙女は今日も夢を見る

「…あ、もしかして都合悪かった?」

私の表情を見て察してくれたのか観月くんが心配そうに問いかけてくる。

「いや、全然大丈夫なんだけどね。実は明日、私の中学時代の友達も、おもち見たいからってこっちで会う約束してたの」

「へぇ…!高梨さんの友達来るんだ!せっかくだし俺も会ってみたいな」

「そ、そう?」

思いがけず、そんな反応を示した観月くんに私は目を丸くする。

「高梨さんとも最近話し始めたばっかりだし。同じ学級委員にもなったしさもっと仲良くなれればって思ってて…あ、もちろん急だし、迷惑なら全然大丈夫だから…!」

観月くんって、本当に優しいんだな…。

照れたように微笑む彼に私も自然と頬が緩むのを感じた。

「とりあえず、友達にも観月くんのこと話しとくよ。せっかく畠中くんも部活休みならおもちに会ってほしいし」

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