乙女は今日も夢を見る
*****
「…っ、やっぱりない…。私ってばどこにやったんだろう」
放課後、私は早速美術室へと足を運んでいた。
一応、教室からの道中、自分が座っていた席付近もくまなく探したが観月くんからもらったメモは見つからなくて途方に暮れる。
もしかしたら、誰かすでに拾ったのかもひれないな…あぁ、もう明日絶対観月くんに謝らないと…!
連絡来ないのも不思議がってるだろうな…。
そんなことを考え始めていた時。
ガラッ。
…!?
美術室の扉が急に開き、私は思わず入口の方に視線を向ける。
そこに立っていたのは…。
…ん?如月(きさらぎ)さん…?なんで、美術室に?
同じクラスの如月唯南(ゆいな)ちゃんだった。
如月さんは、クラスではどちらかというと派手なグループに所属している。
目元はスッと切れ長で、中性的な顔立ちをしていて…可愛いというよりは綺麗系にはいるだろう。
そして、サラッとした綺麗なショートヘアと、短めのスカートから伸びるスラリとした足が印象的だ。