乙女は今日も夢を見る
慌てたように私に声をかける彼女に対して。
「ご、ごめんなさい。違うの…怖がってるわけじゃなくて…ただ、如月さんと話すの始めてだったからちょっと緊張して…」
と首を横に振りながら、返答する私。
「そうなの…?緊張って…同い年なのに、高梨さんって変わってるのね…。実は私、普通にしてるだけでも、目つきとかのせいで周りから怒ってるの?って聞かれることとかよくあるから…もしかして高梨さんを怖がらせちゃたのかと思って焦ったわ」
あははと、自嘲的な笑みを浮かべ、如月さんが言葉を紡ぐ。
そんな彼女の言葉に私は目を見開いた。
如月さんにそんな悩みがあったなんて…意外だな…。
いつも、友達と教室で楽しそうにはしゃいでいる姿しか見たことがなかったから尚更だ。