乙女は今日も夢を見る

中学時代、花鈴と恋バナに花を咲かせていた頃を思い出し、私は如月さんに向き直った。

「うん…!そう!観月くんフレンドリーだから私にも普通に接してくれてるだけ!付き合ったりとかしてないし、安心して!」

語気を強めて、如月さんに詰め寄ると。

「た、高梨さん、急に近いよ。ちょっと離れて…」

若干、照れたように私から距離をとる彼女。

「ご、ごめんなさい。つい…調子に乗って」

やばい…。あんまり、話したこともないのに馴れ馴れしかったよね…?

「いや、私の方こそ。とにかく付き合ってないならよかったよ」

そう言って、微笑む如月さんは今度は彼女の方から近づいてきてくれる。

そして。

「あのね、私…ずっと、高梨さんと話してみたいと思ってたんだ。でも、いつも1人でいたでしょ?しかも平気そうにしてたし、だから、グループで集まるのとか好きじゃないのかなって思って…誘いづらかったんだよね」

…!?

そんなカミングアウトに私は目を丸くした。

そんな風に思われていたのか…。
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