乙女は今日も夢を見る

内心、苦笑いを浮かべつつ、軽く凹んだ。

そんな私をよそに、如月さんは言葉を続ける。

「でも、最近…観月とか、畠中とか…話してたでしょ?だから、ちょっと気になってて。せっかくだから私も話したいなってさ」

フッと優しく微笑んでくれる如月さんに思わず目を見張った。

…い、良い人!

「あ、ありがとう。そう言ってくれて嬉しい…。実を言うとね…私も皆と話したいなって思ってはいたんだけど…。ちょっとタイミング逃しちゃったというか…あはは」

彼女みたいにストレートに言ってくれることが素顔に嬉しい。

まさか、そんな風に思ってくれてるクラスメイトがいたなんて思わなかった…。

しかも、如月さんみたいな目立つ人に…!

「高梨さん、5月からだったもんね。学校来始めたの…確か事故だったっよね?子ども助けたとか…」

「そうなんだ…あはは」

「…災難だったね…」
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