乙女は今日も夢を見る
その時。
「あ!もしかしてこれじゃない…?」
そう言って、おもむろに如月さんがゴミ箱の中から取り出したのは四つ折りに折りたたまれたメモ用紙のようなもの。
「え、嘘…!?」
見覚えのあるメモに、慌てて近づいた私が中身を確認するとそれは確かに観月くんから貰ったものだった。
よかった…!こんなところにあったんだ。
手元に戻ってきたことにホッとする反面。
さっきあんなに探したのに…私ちゃんと見てなかったのかな…。
同時にそんな気持ちも浮かんできて首をひねる。
「見つかってよかった。そのくらい小さいとゴミだと思われて捨てられちゃったんだね」
「そうだね…。でも、本当によかった。如月さんのおかげで見つかったよ〜。ありがとう」
「ううん、たまたまだよ」
スッと綺麗な切れ長の目を細めて、小さく笑う如月さん。