乙女は今日も夢を見る
げんなりした様子で私と花鈴にそう話した咲人に、私達は「あぁ…」と2人して納得した。
まぁ、人気者も大変ということだ。
「うん、久しぶり。咲人元気そうでよかった…!それにしても相変わらずモテモテだね。高校でもすごいんじゃない?」
「…別にモテないけど」
「何言ってんの。気づいてただろうけどめちゃくちゃ注目の的だったよ」
からかうようにそう言うと、少し不機嫌そうな表情で私を見据える咲人。
これ以上突っ込むと怒られそうだと感じた私は慌てて話題を変えることにした。
「えーっと…か、花鈴は?一緒に来てるのかと思ったけど…」
キョロキョロと辺りを見回しても花鈴の姿がなくて、不思議に思いつつ私は咲人に向き直る。
「あ…さっき、俺には急に用事ができたってメッセージきてたけど…悠理には来てなかった?」
「え!?そうなの…?」