乙女は今日も夢を見る

制服のポケットに入れてたスマホを取り出したのとほぼ同時に、ピロンと新着メッセージを受信した。

え…！もしかして…。

案の定それは花鈴から。

【ゴメンね。急に用事ができて行けなくなっちゃった。今度埋め合わせするから咲人と楽しんで〜！あと、おもちちゃんの写真は送ってよー】

という内容だった。

そっか…、来れないのは残念だけど用事があるならしょうがないよね。

私もそれにメッセージに対して【OK！】のスタンプと【また遊ぼうね！】という文章を添える。

「咲人、ちょうど今、花鈴から私にも連絡来たよ。何か用事あるみたいだから咲人とおもちを見てきてだって。でも、写真は送っててさ」

フフッと笑いながら、咲人にそう声をかけると「ったく…花鈴のやつ。相変わらず注文は多いのな」と、諦めたようにため息をこぼした。

「さ、とりあえず…ここにずっと居たら、注目の的だし…咲人こっち来て」

「ちょっ…悠理!?」

私は慌てる咲人にお構い無しで、彼の手首を掴むとサッとその場を移動することにする。