乙女は今日も夢を見る

中学時代、夏休み前の最後のテストで主に咲人に勉強を必死に教えてもらっていた彼女。

『あぁ〜、もう終わった!はい、私の夏休みお先真っ暗。そりゃ、受験生だし〜?夏休みなんてあってないようなものだけど、私だって毎日補習は嫌よー!!』

そんな悲痛な叫びを上げていた花鈴だったからこそ、流石に高校では勉強頑張っているはず…と思いたい。

「そういえば、あんまり花鈴って電話でも勉強の話題出さないけど大丈夫なのかな?」

「さぁ…?まぁ、アイツも去年で学んだだろうし赤点とらないくらいには頑張ってるんじゃね?」

シレッと素っ気なく咲人はそう言い放った。

「咲人だってなんだかんだ言いつつ、心配してるくせに〜。去年だって花鈴に一生懸命教えてあげてたじゃん」

「…さすがに花鈴だけ高校行けなかったら可哀想だろう」

「……」

花鈴ってそんなに成績悪かったんだ…。

確かに咲人、あの頃相当花鈴に手を焼いてたような…。
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