乙女は今日も夢を見る
しばらく、パクパクと勢いよく猫缶にがっつくおもちを眺めていた私と咲人と観月くん。
てか、さっきから、観月くん立ちっぱなしだし…ベンチ座ったほうが楽だよね?
そう思った私は彼に向かって。
「観月くんもこっち座る?ベンチまだ余裕あるし」
と声をかけた。
「あ…いいよ、俺は立ってるから大丈夫。気にしてくれてありがとう」
ニコッと爽やかに微笑む観月くんはいつものフレンドリーな雰囲気に戻っていて私も安心する。
よかった、やっぱりさっきのは初対面で咲人と話すの気まずかったんだと改めて自分の中で納得していた時。
「ねぇ。観月くんってさ、めっちゃ女子にもモテそうだけど彼女とかいないの?」
唐突にそんなプライベートな質問をぶっ込んでくる咲人に私はギョッとする。
いきなり何言ってんの…!?
さっきから観月くんに妙に突っかかってるし…今日の咲人なんか変じゃない…?
いつもはあまり人に興味を示さないくせに、観月くんにはやけに話しかけるし…。