乙女は今日も夢を見る

「えーっと…あ!もう遅い時間だしそろそろ帰らない?あと、私お母さんに買い物頼まれてたんだよね…!」

そんな適当な理由をつけ、2人に向かって解散を促してみる。

「…そうだね。もう17時過ぎてるし、高梨さんも買い物あるなら早い方がいいだろうし」

「だな…俺も帰って課題やんないと」

思いの外、素直に私の提案に応じてくれた2人に私は内心ホッと胸を撫で下ろした。

「うんうん…!ささ、帰ろ帰ろ。そういえば観月くんって帰りはどこ方面?」

「俺?俺は自転車で…西町の方だよ」

「西町か〜。じゃあ私達とは反対方向だね」

私と咲人は、東町方面。

西町なら方向としては真逆になる。

「西町出身だったら、東町方面はあんまり行かないよね」

「いや、実は友達がそっち方面にもいるから時々行ったりしてたから、わりと道はわかるかも」

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