乙女は今日も夢を見る
さて、どうしたものかと悩んでいると。
「あれ、高梨さん?」
そう声をかけられ、反射的に声のする方に振り返った。
「あ、観月くん…!」
するとそこには、大きなダンボールを持った観月くんの姿。
「先生に用事?実はさっきから職員室誰もいないみたいでさ」
「そうなんだ…。セロハンテープとかなくなっちゃって取りに来たんだけど勝手にとっていいのかなって悩んでたの」
「なるほどね。いつ返ってくるかわかんないし、先生の机にメモ残して取っていくとか…」
「だね…。準備進まないしそうしようかな」
私は、観月くんの提案にコクリと頷き再度職員室の扉をくぐり、担任の先生の机にメモを残す。
【セロハンテープ、ビニールテープを持っていきます 高梨】
こんな感じでいいかな…?
書き終えたメモを机のわかりやすい位置に配置して、私は職員室の奥にある備品室に向かうと、ソッと扉を開けた。
備品室の中は色々なプリントやら書類やらがファイリングされている。
少し埃っぽいが私は目当てのテープ類が保管されている場所まで足を進めた。