乙女は今日も夢を見る
えーっと、セロハンテープ、ビニールテープ…。あ、あった!
キョロキョロと辺りを見回しつつ探していると、無造作に置かれたダンボールの中に新品のものがいくつか入ってるのを発見する。
2つずつくらいあれば足りるよね?
そう思い、それぞれ2つずつ手に取ると私は備品室を出て職員室の入口付近まで戻ってきた。
「高梨さん、あった?」
観月くん、待っててくれたんだ。
入口の扉の外で声をかけてくれる彼に自然と頬が緩む。
「うん。あったよ!ありがとう、待っててくれたんだ?」
「まぁ、俺もちょうど教室戻る予定だったし…。それに、今日なんだかんだ忙しすぎて高梨さんと全然話せてなかったなって思って」
そう言って、観月くんは、はにかむように微笑んだ。
その後、私と観月くんは、自分たちの教室へと戻る廊下を2人で並んで歩く。
「…それにしても今日は本当に忙しいよね。観月くんなんかほとんど教室にいなかったよね?」
「まぁね。中学時代にも、噂には聞いてたけどここの高校本当に文化祭力入れてるんだなって改めてわかったよ」