乙女は今日も夢を見る
「そっか。楽しいならよかったよ。でも、皆が頼るのも高梨さんが頑張ってくれてるからだと思うな」
「…うん、ありがとう。そうだといいな」
私はニコッと観月くんに小さく笑みを向けた。
人望の熱い観月くんに言われると素直に嬉しい気持ちになる。
「そう言えば最近、如月たちのグループともよく一緒にいるよね?」
「うん!そうなの。如月さんすっごくいい人で話しかけてきてくれたんだ〜。如月さんと仲良しの子たちも皆優しくて」
あの日、美術室での出来事を思い返す。
そう言えば、如月さん…観月くんのこと好きなんだよね…?
普段、同じクラスでも全然絡みがない2人だけどあれだけ私と観月くんが付き合ってるのかどうか気にしてたし…。
そんなことを考えながらチラリと観月くんに視線を送る。
すると。
「高梨さんが仲良くできるクラスメイトが出来て本当によかったよ。如月って実は俺と畠中と同じ中学なんだ。アイツ良い奴だよ。面倒見もいいし。ただ、俺は…あんまり好かれてないんだけど」
フッと寂しそうに微笑む彼に私は目を見張った。