乙女は今日も夢を見る
え、好かれてない…?
どいうこと?だって、如月さんあんなに私と観月くんの関係気にしてたよね??
というかそもそも、2人って中学一緒なんだ。でも、如月さん私にはそんな話してくれなかったし。
次々と浮かぶ疑問は、頭の中をぐるぐる駆け巡る。
私が考え込んだって答えは出てこないし、如月さんに好かれてないってこと観月くんの勘違いかもしれないよね。
とりあえず事の経緯を聞かなければと意を決して「あの…」と、口を開いた時。
「あ、観月いた!わりぃ。こっち手伝ってくれねーか?」
廊下の数メートル先でクラスメイトの男子が観月くんに向かって大きく声をかけてきたものだから、私の小さな声はかき消されてしまう。
わぁ…。私ったらタイミング悪すぎ。
思わずグッと言いかけた言葉を飲み込んだ。
「おぅ!わかった…!ちょっと待ってろ…っとゴメン。高梨さん、何か言いかけてたよね?」
「…へ?あ、ううん!大したことじゃないの!観月くん忙しそうだしまた今度で大丈夫」