悲劇のヒロインぶるなと言われましたので
***
「レイラ嬢はすごいね」
「……え?」
それから数日後。ユージーンの言葉に、私は思わず目を見開く。
(ユージーンったら、もう絆されちゃったの?)
彼はそんな人じゃない――――そう思っていたからショックが大きい。
確かにレイラは美人だけど、性根が腐っているじゃない。あんな悪意の塊みたいな人、ユージーンが気に入ると思っていなかった。外面が良いし、処世術に長けているから、妃に丁度良いと思ったんだろうか?
お茶で潤したばかりの喉が、カラカラに感じられる。呆然とユージーンを見つめれば、彼は首を横に振った。
「ああ、良い意味じゃないよ。悪い意味で言ったんだ」
「……そうですか」
こっそり胸を撫でおろしつつ、私はユージーンへと向きなおる。
「具体的にはどのようにすごいのでしょう?」
「それがね、彼女は俺を誘惑しようとしているんだ」
ユージーンはクックッと喉を鳴らした。
誘惑。これまたド直球だな。
私は思わず目を見開いた。
「レイラ嬢はすごいね」
「……え?」
それから数日後。ユージーンの言葉に、私は思わず目を見開く。
(ユージーンったら、もう絆されちゃったの?)
彼はそんな人じゃない――――そう思っていたからショックが大きい。
確かにレイラは美人だけど、性根が腐っているじゃない。あんな悪意の塊みたいな人、ユージーンが気に入ると思っていなかった。外面が良いし、処世術に長けているから、妃に丁度良いと思ったんだろうか?
お茶で潤したばかりの喉が、カラカラに感じられる。呆然とユージーンを見つめれば、彼は首を横に振った。
「ああ、良い意味じゃないよ。悪い意味で言ったんだ」
「……そうですか」
こっそり胸を撫でおろしつつ、私はユージーンへと向きなおる。
「具体的にはどのようにすごいのでしょう?」
「それがね、彼女は俺を誘惑しようとしているんだ」
ユージーンはクックッと喉を鳴らした。
誘惑。これまたド直球だな。
私は思わず目を見開いた。