捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
アレスが差し出してきたのは、いわゆる激レア素材と呼ばれる黒水晶だ。
通常の水晶の千倍の効果があるもので、市場には出回っておらず幻獣キマイラを倒さないと手に入らない。そもそも幻獣なんてそんな簡単に見つからないし、幻獣の討伐は騎士団を三つ集めてようやく果たせるものだ。
驚きすぎて言葉が出てこない。
「………………っ!?!?」
「お気に召しませんでしたか? お嬢様に依頼された素材から推察すると、この素材が最適かと考えたのですが」
「確かにそうだけど! これを手に入れるの大変だったでしょう!?」
本当に十年に一度あらわれるかどうかの逸品だ。だからリストから外していたのに、アレスはそれを汲み取ってくれたうえに入手してきたのだ。
「お嬢様のためならこれくらい容易いことですが、ご褒美をいただいても?」
「もちろんよ! この素材の価値に見合うだけ褒賞を渡すわ! 何が欲しいの?」
「では、お嬢様の時間を五分だけください」
「え? 私の時間?」
「はい、それ以上は我慢できる自信がないので五分で結構です。私のためだけにお時間をいただけませんか?」
これだけの貴重な素材を手に入れてきたというのに、ねだる褒賞が私の時間というのが理解できない。お店も上手くいっているし今回の依頼報酬も期待できるので、蓄えの中から結構なものを用意できるというのに。
通常の水晶の千倍の効果があるもので、市場には出回っておらず幻獣キマイラを倒さないと手に入らない。そもそも幻獣なんてそんな簡単に見つからないし、幻獣の討伐は騎士団を三つ集めてようやく果たせるものだ。
驚きすぎて言葉が出てこない。
「………………っ!?!?」
「お気に召しませんでしたか? お嬢様に依頼された素材から推察すると、この素材が最適かと考えたのですが」
「確かにそうだけど! これを手に入れるの大変だったでしょう!?」
本当に十年に一度あらわれるかどうかの逸品だ。だからリストから外していたのに、アレスはそれを汲み取ってくれたうえに入手してきたのだ。
「お嬢様のためならこれくらい容易いことですが、ご褒美をいただいても?」
「もちろんよ! この素材の価値に見合うだけ褒賞を渡すわ! 何が欲しいの?」
「では、お嬢様の時間を五分だけください」
「え? 私の時間?」
「はい、それ以上は我慢できる自信がないので五分で結構です。私のためだけにお時間をいただけませんか?」
これだけの貴重な素材を手に入れてきたというのに、ねだる褒賞が私の時間というのが理解できない。お店も上手くいっているし今回の依頼報酬も期待できるので、蓄えの中から結構なものを用意できるというのに。