捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
「ハルク、この書類は処理が済んだから母上の方に回してくれ。こちらは会計部門に頼む」
「承知しました」
ハルクが決裁済みのボックスに書類を入れようとしたときだ。
近衞騎士が五名ボクの執務室になだれ込んできた。険しい表情を浮かべた騎士たちは、室内を見回すと呆気に取られていたハルクとゴードンの前にツカツカと進んでいく。
「ハルク・カスペール! ゴードン・セリエ! 両名は王族に対しての不敬罪により捕らえる!! 大人しくついて参れ!!」
「な……何だと!? 何かの間違いではないのか!?」
「ウィルバート殿下、これは国王命令であります。間違いではありません」
こうして話している間にも、ハルクとゴードンが騎士たちに拘束されている。ふたりとも困惑した様子で少しの抵抗を見せたが、ふたりの騎士に取り押さえられてしまった。
「そんな、ハルクもゴードンもわたしの側近だぞ。何かの間違いだ!」
「殿下、きっとこれは何かの策略です」
「俺だってちゃんと命令通りにしています!」
「わかった、ボクもすぐに父上と母上に確認してみる」
ハルクとゴードンは項垂れながら執務室から連れ出されていった。
こんな状況なのに不敬罪で捕らえるなど、父上は何を考えているのだ!? ギリギリで政務を回しているのだぞ!
まったく今日はボニータが来なくて清々していたのになんという日だ!!
ボクは開け放たれた扉から国王の執務室へと向かった。こんなことで時間を取られて、苛立ちに視界がチカチカしはじめる。
それでも一刻も早く事実確認をしたくて、先を急ぐのだった。
「承知しました」
ハルクが決裁済みのボックスに書類を入れようとしたときだ。
近衞騎士が五名ボクの執務室になだれ込んできた。険しい表情を浮かべた騎士たちは、室内を見回すと呆気に取られていたハルクとゴードンの前にツカツカと進んでいく。
「ハルク・カスペール! ゴードン・セリエ! 両名は王族に対しての不敬罪により捕らえる!! 大人しくついて参れ!!」
「な……何だと!? 何かの間違いではないのか!?」
「ウィルバート殿下、これは国王命令であります。間違いではありません」
こうして話している間にも、ハルクとゴードンが騎士たちに拘束されている。ふたりとも困惑した様子で少しの抵抗を見せたが、ふたりの騎士に取り押さえられてしまった。
「そんな、ハルクもゴードンもわたしの側近だぞ。何かの間違いだ!」
「殿下、きっとこれは何かの策略です」
「俺だってちゃんと命令通りにしています!」
「わかった、ボクもすぐに父上と母上に確認してみる」
ハルクとゴードンは項垂れながら執務室から連れ出されていった。
こんな状況なのに不敬罪で捕らえるなど、父上は何を考えているのだ!? ギリギリで政務を回しているのだぞ!
まったく今日はボニータが来なくて清々していたのになんという日だ!!
ボクは開け放たれた扉から国王の執務室へと向かった。こんなことで時間を取られて、苛立ちに視界がチカチカしはじめる。
それでも一刻も早く事実確認をしたくて、先を急ぐのだった。