捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
20話 竜人にとって番とは
* * *
「できたわっ!!」
「お嬢様、おめでとうございます!」
やっと試作品が完成した。アレスが持ってきてくれた黒水晶のおかげで、役に立たなかった身体の部位で竜人の特定ができるようになったのだ。
「アレス、試したいから協力してくれる?」
「もちろんです」
「それでは悪いけど毛髪を一本もらえるかしら?」
私はアレスの艶のある黒髪を一本もらい、魔道具の読み取りプレートに挟んでセットする。それを魔石板に差し込んで魔力を流し込んだ。
「いいわ、好きなところに転移して。転移したらすぐに魔力封じの腕輪をつけてね」
「かしこまりました。では」
毛髪は入手が簡単だけど水晶では検知できるまでにいたらず諦めていた部位だ。血液などの体液なら水晶でもできたけど、すでにいない人を探すのには使えない。黒水晶のおかげで問題点が解決したのだ。
アレスが転移魔法で移動したのを見届けて、魔石板に視線を落とす。中心にあった青く光る点が一瞬消えて、画面の右上にあらわれた。
その青い点を目指して王城の中を突き進んでいく。
「できたわっ!!」
「お嬢様、おめでとうございます!」
やっと試作品が完成した。アレスが持ってきてくれた黒水晶のおかげで、役に立たなかった身体の部位で竜人の特定ができるようになったのだ。
「アレス、試したいから協力してくれる?」
「もちろんです」
「それでは悪いけど毛髪を一本もらえるかしら?」
私はアレスの艶のある黒髪を一本もらい、魔道具の読み取りプレートに挟んでセットする。それを魔石板に差し込んで魔力を流し込んだ。
「いいわ、好きなところに転移して。転移したらすぐに魔力封じの腕輪をつけてね」
「かしこまりました。では」
毛髪は入手が簡単だけど水晶では検知できるまでにいたらず諦めていた部位だ。血液などの体液なら水晶でもできたけど、すでにいない人を探すのには使えない。黒水晶のおかげで問題点が解決したのだ。
アレスが転移魔法で移動したのを見届けて、魔石板に視線を落とす。中心にあった青く光る点が一瞬消えて、画面の右上にあらわれた。
その青い点を目指して王城の中を突き進んでいく。