捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
「ここにいるはずなんだけど……」
青い点は王城の庭園で光っていた。魔石板の左横のボタンを押して表示範囲を調節していくと、また私から離れていく。また青い点に向かって進むと、竜を模したデザインの噴水の前でアレスが佇んでいた。
水飛沫を背景に太陽に光を受けるアレスに思わず見惚れてしまう。ずっと見ていたいような美しい一枚の絵画のようで、とっくに見つけているのに声をかけられなかった。
「問題はなさそうですね」
「あ……鉱脈探しでも使っていたからよ。念のため他の人でも試したいわ」
「承知しました。手配いたします」
見惚れていたのを誤魔化すように会話を切り上げた。おかしい……アレスに密着されたわけでもないのに心臓がバクバクしている。
前は密着したときだけドキドキしていた。それが今ではふとした拍子に反応するのだから、この数ヶ月でアレスを見たらドキドキするように刷り込まれたのかもしれない。
まんまと策にハマったような気がしなくもない。でも確かに身体は反応しているけど、これが愛してることになるのかわからない……どうしたらそう判断できるのかしら?
そんなことを考えつつ魔道具のテスト使用を問題なく終えた。アレスに頼んでジュリア様の毛髪を手に入れ準備を整えたうえで、竜王様に報告しにいくことになった。
青い点は王城の庭園で光っていた。魔石板の左横のボタンを押して表示範囲を調節していくと、また私から離れていく。また青い点に向かって進むと、竜を模したデザインの噴水の前でアレスが佇んでいた。
水飛沫を背景に太陽に光を受けるアレスに思わず見惚れてしまう。ずっと見ていたいような美しい一枚の絵画のようで、とっくに見つけているのに声をかけられなかった。
「問題はなさそうですね」
「あ……鉱脈探しでも使っていたからよ。念のため他の人でも試したいわ」
「承知しました。手配いたします」
見惚れていたのを誤魔化すように会話を切り上げた。おかしい……アレスに密着されたわけでもないのに心臓がバクバクしている。
前は密着したときだけドキドキしていた。それが今ではふとした拍子に反応するのだから、この数ヶ月でアレスを見たらドキドキするように刷り込まれたのかもしれない。
まんまと策にハマったような気がしなくもない。でも確かに身体は反応しているけど、これが愛してることになるのかわからない……どうしたらそう判断できるのかしら?
そんなことを考えつつ魔道具のテスト使用を問題なく終えた。アレスに頼んでジュリア様の毛髪を手に入れ準備を整えたうえで、竜王様に報告しにいくことになった。