捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
白い光が収まると、いつもより暖かい風に私の髪が揺れて白衣がはためいた。気がつけばアレスの腕に抱きしめられていて、あわてて距離を取る。
「つ、着いたのね! ……ところでここは何処かしら?」
「ここはブルリア帝国の帝都だよ。カイルはここにある別邸を拠点にしてジュリアを探しているんだ」
竜王様は迷いなく街を進んで、帝都のはずれにある古びた屋敷に足を踏み入れた。見た目とは裏腹に内部はしっかりと手入れされていて、華美さはないが落ち着いた家具や色合いでまとめられている。
二階に続く階段を上がり、突き当たりの部屋を竜王様がノックする。けれども返事はなく、そっと扉を開ければ左奥にあるベッドで眠っている人がいた。
擦り切れてボロボロの服を身にまとい、毛布すらもかぶらずベットの上に身を投げたまま眠っている。水色の髪はくすんでボサボサだった。
「カイル、起きなよ。魔道具が完成したんだ」
その一言でパチリと目が開き勢いよく飛び起きる。
「できたのか!? それで魔道具は!?」
「はい……これです」
夕日のような橙色の瞳をギラつかせて、私から奪うように魔道具をひったくる。
「つ、着いたのね! ……ところでここは何処かしら?」
「ここはブルリア帝国の帝都だよ。カイルはここにある別邸を拠点にしてジュリアを探しているんだ」
竜王様は迷いなく街を進んで、帝都のはずれにある古びた屋敷に足を踏み入れた。見た目とは裏腹に内部はしっかりと手入れされていて、華美さはないが落ち着いた家具や色合いでまとめられている。
二階に続く階段を上がり、突き当たりの部屋を竜王様がノックする。けれども返事はなく、そっと扉を開ければ左奥にあるベッドで眠っている人がいた。
擦り切れてボロボロの服を身にまとい、毛布すらもかぶらずベットの上に身を投げたまま眠っている。水色の髪はくすんでボサボサだった。
「カイル、起きなよ。魔道具が完成したんだ」
その一言でパチリと目が開き勢いよく飛び起きる。
「できたのか!? それで魔道具は!?」
「はい……これです」
夕日のような橙色の瞳をギラつかせて、私から奪うように魔道具をひったくる。