捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
 竜王様は戻ってきた途端、事務官に詰め寄られて政務を放棄したことがサライア様にバレて怒られていた。そして冷気が漏れ出すサライア様に引きずられ執務室に連行されていった。
 カイル様も溜まっていた政務の片付けに追われていたので見かねてアレスに手伝いを頼み、今はジュリア様たっての希望もあって医師の診察に付き添っている。

「ふむ、特に問題ないようですな。ただ一ヶ月も囚われていたのですから三日は安静にして変わりがないか注意してください」
「はい、ありがとうございます」

 医師が部屋から出て行くと、パッと顔を輝かせてジュリア様が私の手を取った。

「ロザリア様っ! 今回はわたしを探す魔道具を作ってくれたと聞きました! 本当にありがとうございます! それにずっとお会いしたかったです!!」
「いえ、できることをしただけです。アレスの大切な家族ですもの。ジュリア様は私にとっても大切な人ですわ」
「はああ! ロザリア様が天使すぎるっ……! どうか、どうか私と仲良くしてくださいませんか!?」
「そんな……こちらこそ仲良くしていただけたら嬉しいですわ」
「ああっ! 今日はなんて素晴らしい日なのっ!! 困ったことがあったら、なんでもご相談くださいね!!」

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