捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
23話 真実の愛の裏側(ウィルバート視点)
* * *
王城の最上階に国王である父の執務室がある。
騎士が守る階段を駆け上がり、廊下を右に曲がって突き当たりにある重厚な扉を勢いよく開けた。
「父上! ボクの側近をふたりとも不敬罪で捕らえるなど、どういうことですか!?」
「ウィルバートか、落ち着くのだ」
「落ち着いてなんていられません! どういうことか説明してください!!」
ボクの来訪を予想していたのか、父も宰相も悠然とかまえていた。その態度がさらにボクの怒りに火を付ける。カッとなって反論しようとしたところで、母上の声が耳に届いた。
「ウィルバート、可哀想に……あんな女に騙されて」
「母上もいらっしゃったのならちょうどいい。一体なんのお話ですか? あんな女とはロザリアのことでしょうか?」
「違うわ! あのボニータとかいう男爵の娘よっ!」
「ボニータが? なぜボニータの話が出てくるのですか?」
完全に頭に血が上っていたボクはまったく読めない話の内容に、さらに苛立ち怒鳴るように返した。
山積みの政務は滞り、王立学院から支えてくれた側近たちは騎士に連れて行かれてしまった。状況が悪化するばかりでなんの解決策も見えない。
王城の最上階に国王である父の執務室がある。
騎士が守る階段を駆け上がり、廊下を右に曲がって突き当たりにある重厚な扉を勢いよく開けた。
「父上! ボクの側近をふたりとも不敬罪で捕らえるなど、どういうことですか!?」
「ウィルバートか、落ち着くのだ」
「落ち着いてなんていられません! どういうことか説明してください!!」
ボクの来訪を予想していたのか、父も宰相も悠然とかまえていた。その態度がさらにボクの怒りに火を付ける。カッとなって反論しようとしたところで、母上の声が耳に届いた。
「ウィルバート、可哀想に……あんな女に騙されて」
「母上もいらっしゃったのならちょうどいい。一体なんのお話ですか? あんな女とはロザリアのことでしょうか?」
「違うわ! あのボニータとかいう男爵の娘よっ!」
「ボニータが? なぜボニータの話が出てくるのですか?」
完全に頭に血が上っていたボクはまったく読めない話の内容に、さらに苛立ち怒鳴るように返した。
山積みの政務は滞り、王立学院から支えてくれた側近たちは騎士に連れて行かれてしまった。状況が悪化するばかりでなんの解決策も見えない。