捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
「私の間違いだったらどんなによかったことか……散々調べて間違いない事実だったの。心して聞きなさい」
母上がようやく話の本題に入ろうとしている。ボクは無意識にゴクリと喉を鳴らした。
「あの女の腹にいるのはあなたの子ではないわ」
だが聞こえてきた言葉は到底信じられないものだった。
「えっ……まさか、そんなはずがありません!」
「間違いないわ。診察した王宮医師にも確かめたの。月のものから計算すると、子を宿したのは碧月の二週目から三週目にかけてよ。あなたその時どこにいたか覚えている?」
「碧月………まさか、そんな。その頃は確か帝国との貿易契約の交渉で留守にして……」
半年前の記憶を掘り起こしてみる。
碧月の頭から一ヶ月ほど帝国に滞在していた。その前後ならたっぷりと愛し合ったのを覚えている。あの時にできたボクの子ではなかったのか? ボニータはそうボクに話していたのに……!
「そうね、私も確認したわ。ウィルバートが国を出たのが碧月の三日、戻ってきたのが翌月である翠怜の月になってからよ」
「まさか、まさか! 嘘だっ!」
「目を覚まさぬかっ!! 誰のものとも知れぬ子をお前の子として産むことなど許せるわけがなかろう!!」
母上がようやく話の本題に入ろうとしている。ボクは無意識にゴクリと喉を鳴らした。
「あの女の腹にいるのはあなたの子ではないわ」
だが聞こえてきた言葉は到底信じられないものだった。
「えっ……まさか、そんなはずがありません!」
「間違いないわ。診察した王宮医師にも確かめたの。月のものから計算すると、子を宿したのは碧月の二週目から三週目にかけてよ。あなたその時どこにいたか覚えている?」
「碧月………まさか、そんな。その頃は確か帝国との貿易契約の交渉で留守にして……」
半年前の記憶を掘り起こしてみる。
碧月の頭から一ヶ月ほど帝国に滞在していた。その前後ならたっぷりと愛し合ったのを覚えている。あの時にできたボクの子ではなかったのか? ボニータはそうボクに話していたのに……!
「そうね、私も確認したわ。ウィルバートが国を出たのが碧月の三日、戻ってきたのが翌月である翠怜の月になってからよ」
「まさか、まさか! 嘘だっ!」
「目を覚まさぬかっ!! 誰のものとも知れぬ子をお前の子として産むことなど許せるわけがなかろう!!」