捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
この国の王族と貴族は十五歳になると王立学院へ通い一般教養から魔法の習得、領地経営の基礎まで学ぶことになっている。私はウィルバート殿下にふさわしくあろうと入学してからは常に主席をキープしていた。
前に用があってウィルバート殿下のクラスに訪れた際は、わざわざ人気のない温室まで連れ出されてこう言われた。
「ロザリア! お前がなぜボクのクラスに来るんだ!? ボクに恥をかかせたいのか!?」
「いえ……そのようなつもりは……伝言がありまして……」
「お前のような地味な女がわざわざ姿を見せるな! ボクが周りにどのように思われるか考えないのか!?」
そこまで言われるほど私は至らない存在なのだろうか。私の知らないところでウィルバート殿下に不快な思いをさせてきたのだろうか。
いっそ婚約の解消をと考えたけれど、そんなことを伯爵家から王家に言えるわけがない。私がウィルバート殿下に相応しくならなければいけないのだ。
それが出来ないなら、せめてウィルバート殿下が心穏やかに過ごせるようにしなければ。
「申し訳ありません……今後はウィルバート殿下のクラスには顔を出さないようにいたします」
「頼むぞ! まったくボクに不愉快な思いをさせるな!」
それからは何かあれば手紙でやりとりすることにしたので学院での接点はなかった。学院でもダメだったかと落ち込んだけれど、もう涙は出てこなかった。
だけど私が最終学年、ウィルバート殿下が三学年に上がった春に運命的な出会いが訪れた。
前に用があってウィルバート殿下のクラスに訪れた際は、わざわざ人気のない温室まで連れ出されてこう言われた。
「ロザリア! お前がなぜボクのクラスに来るんだ!? ボクに恥をかかせたいのか!?」
「いえ……そのようなつもりは……伝言がありまして……」
「お前のような地味な女がわざわざ姿を見せるな! ボクが周りにどのように思われるか考えないのか!?」
そこまで言われるほど私は至らない存在なのだろうか。私の知らないところでウィルバート殿下に不快な思いをさせてきたのだろうか。
いっそ婚約の解消をと考えたけれど、そんなことを伯爵家から王家に言えるわけがない。私がウィルバート殿下に相応しくならなければいけないのだ。
それが出来ないなら、せめてウィルバート殿下が心穏やかに過ごせるようにしなければ。
「申し訳ありません……今後はウィルバート殿下のクラスには顔を出さないようにいたします」
「頼むぞ! まったくボクに不愉快な思いをさせるな!」
それからは何かあれば手紙でやりとりすることにしたので学院での接点はなかった。学院でもダメだったかと落ち込んだけれど、もう涙は出てこなかった。
だけど私が最終学年、ウィルバート殿下が三学年に上がった春に運命的な出会いが訪れた。