捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
数ヶ月ぶりのスレイド伯爵家は以前より静かに佇んでいた。なんとなく活気のない雰囲気によくないことが起きているのだと察しがつく。
扉を開けようとしたところで、玄関ホールから言い合う声が聞こえてきた。
「それでも、姉上を何とかしないとならないだろう!」
「今しばらくお待ちください、アレスに知らせが届けばすぐにやってくるはずですから!」
「そんなの待ってられない! 王都までここから二週間もかかるんだ! こうしているうちにも姉上が——」
今にも飛び出してきそうな台詞で、確実に俺のロザリアに何かあったと理解して思い切り扉を開ける。
「遅くなりました。セシリオ様、ブレス様、お嬢様に何があったのですか?」
「アレス!? アレスか!!」
「よかった! セシリオ様、きっとまだ間に合います!」
「申し訳ないですが事情がまったくわかりません。ご説明いただけますか?」
「ああ、わかった。こちらで話す」
スレイド伯爵の執務室で聞いた話では、伯爵夫婦が事実無根の罪で囚われてロザリアに助けを求めたということだ。これで書き置きの件は納得した。
だけどその後の出来事にいつか感じた以上の怒りが沸々と込みあげる。
扉を開けようとしたところで、玄関ホールから言い合う声が聞こえてきた。
「それでも、姉上を何とかしないとならないだろう!」
「今しばらくお待ちください、アレスに知らせが届けばすぐにやってくるはずですから!」
「そんなの待ってられない! 王都までここから二週間もかかるんだ! こうしているうちにも姉上が——」
今にも飛び出してきそうな台詞で、確実に俺のロザリアに何かあったと理解して思い切り扉を開ける。
「遅くなりました。セシリオ様、ブレス様、お嬢様に何があったのですか?」
「アレス!? アレスか!!」
「よかった! セシリオ様、きっとまだ間に合います!」
「申し訳ないですが事情がまったくわかりません。ご説明いただけますか?」
「ああ、わかった。こちらで話す」
スレイド伯爵の執務室で聞いた話では、伯爵夫婦が事実無根の罪で囚われてロザリアに助けを求めたということだ。これで書き置きの件は納得した。
だけどその後の出来事にいつか感じた以上の怒りが沸々と込みあげる。