捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
俺の番をどこへ連れて行く?
そこで何をするつもりだ?
俺の番にその汚い手で触れるな。
俺だけのロザリアだ。
アイツから今すぐにロザリアを取り戻す……!!!!
パキンッと頭の中で何かが割れた音がした。
途端に俺の身体を駆け巡るのは、古から受け継いだ竜の血だ。燃えるような血潮と共にこの世界すら壊せるほどの魔力が湧きあがってくる。ドクンドクンと心臓が脈打つたびに魔力が、力が増していく。
ただ暴走と違うのは感情は凪いだままだということだ。氷のように冷え切った頭は、暴竜のような魔力を完全にコントロールしていた。
「アレス! 落ち着け! ここで暴走したらご両親まで巻き込んで……え? 瞳が金に……!」
「大丈夫だ。というか今までにないくらい頭は冷めきってる」
「嘘っ! これは、覚醒!?」