捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
私は一年早く学院を卒業していたし婚約解消されるならそれも仕方のないことだと思っていた。けれどウィルバート様の卒業が迫っても私は婚約者のままだった。
妃教育の兼ね合いや、その頃には王妃殿下の政務を手伝ったりしていたから私と婚姻した方が都合がよかったらしい。
私に対する反発心からか、ウィルバート様は婚姻と同時に最愛であるボニータを王城へ召し上げた。
そうして迎えた初夜で、ウィルバート様の言葉はまたもや私の心を抉った。
「いいか、ボクはボニータしか愛さない。お前もいずれは世継ぎのために抱かねばならんが、しばらくはないと思ってくれ。必要になったらこちらに足を運ぼう。では、何かあればボニータの部屋に使いを出してくれ」
自分の言いたいことだけ伝えて絶句している私をそのままに、ウィルバート様はボニータの元へと行ってしまった。
もしかしたらこれを機会に新たな関係が築けるかもしれないと思っていたのは、私だけだったようだ。
そこまで嫌われるようなことをしたのだろうか? たしかに初めてお会いした時はヤボったい田舎の伯爵家の令嬢だったと思う。でも、あれから王太子妃になるべく努力はしてきたつもりだ。だけどその努力はウィルバート様には届いていなかった。
夫婦になればと抱いていた淡い期待も、枯れ果てた涙の代わりにため息で吐き出した。
妃教育の兼ね合いや、その頃には王妃殿下の政務を手伝ったりしていたから私と婚姻した方が都合がよかったらしい。
私に対する反発心からか、ウィルバート様は婚姻と同時に最愛であるボニータを王城へ召し上げた。
そうして迎えた初夜で、ウィルバート様の言葉はまたもや私の心を抉った。
「いいか、ボクはボニータしか愛さない。お前もいずれは世継ぎのために抱かねばならんが、しばらくはないと思ってくれ。必要になったらこちらに足を運ぼう。では、何かあればボニータの部屋に使いを出してくれ」
自分の言いたいことだけ伝えて絶句している私をそのままに、ウィルバート様はボニータの元へと行ってしまった。
もしかしたらこれを機会に新たな関係が築けるかもしれないと思っていたのは、私だけだったようだ。
そこまで嫌われるようなことをしたのだろうか? たしかに初めてお会いした時はヤボったい田舎の伯爵家の令嬢だったと思う。でも、あれから王太子妃になるべく努力はしてきたつもりだ。だけどその努力はウィルバート様には届いていなかった。
夫婦になればと抱いていた淡い期待も、枯れ果てた涙の代わりにため息で吐き出した。