捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
「アレス! ねえ、アレス! 戻りましょう! 私たちがいなくなったら結婚パーティーが……」

 アレスは外壁をくぐったところで転移魔法を使い、王太子の私室まで戻ってきてしまった。そのまま扉で繋がっているふたりの寝室に入り、キングサイズのベッドの上に宝物を扱うように降ろされる。

 いや、いいのだ。もう結婚式もしたし、番の契りも交わしてるし、こういうことが嫌ではないのだ。ただ、結婚式から堂々と抜け出すのはどうかと思うだけなのだ。
 タキシードのタイを緩めながら、私に跨るアレスの色気がヤバかった。

「ごめん、ロザリア。もう無理」
「えっ!? 待って、結婚式は!?」
「それは大丈夫。父上に前もって限界来たら消えるって言っておいたから」

 そう言いながら次々とタキシードを脱いでいって、上はもうシャツ一枚でボタンも途中まで外している。

 ちょっとこの色気! この色気はヤバすぎる!! 番の契りを交わしてから、もともと無いに等しい防御力がゼロになってしまったのよ! チラッと見える割れた腹筋から目が離せない……!!

「そっ、そんな……!」

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