捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
 時期が来たら子は作るつもりのようだし、それまでに心の準備をしておけば差し当たって問題はないと思える。

「陛下と妃殿下にも相談して誓約書を作成しましょう。いらぬ争いを避けるためだもの、きっと許可してくださるわ」
「ええ、当然です。それならいっそのこと魔法誓約にしてはいかがでしょうか?」

 アレスの進言になるほどと思った。
 魔法誓約なら強制力があるから約束を違えることはできない。もし約束を違えてしまったら、全身に罪人の証として黒い鎖の模様が浮き出て隠し通すことはできない。そのような者は王族でいられないのだ。

 そこですぐに陛下と妃殿下に許可をいただき、一夫一妻制のこの国で正式な妃は私だからと、最低限のルールとして子はもうけないように約束してもらった。きちんと魔法誓約書にして残してあるから、滅多なことでは破られないだろう。
 これで王位継承に関する揉め事は避けられると安心した。





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