捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
それからも気遣いの言葉や誕生日の贈り物など当然のように何もなかった。正式な妃として婚姻したにも関わらず、白い結婚のまますでに六年近くが過ぎている。
国王陛下と王妃殿下は私が政務をこなしていれば、夫婦の関係には口を出してこない。
臣下たちは夫から愛されない哀れな女と陰で嘲笑っている。
国民はウィルバート様を称えても、王太子妃についてはいつも何をしているのかと不満を抱えていた。
私が魔道具開発の指揮をとっているから情報漏洩防止のため、家族とは婚姻してから面会はおろか連絡を取ることすら許可されなかった。それが誤解を招き家族からも愛されていないと噂が広まるのは早かった。
愛想のない可愛げのない妃。
執務はできるが懐妊できない妃。
夫に見向きもされない妃。
誰にも愛されない妃。
これらはすべて私のことだ。
私の味方と呼べるのはアレスだけだった。だけど主人と執事という雇用契約の上に成り立つ関係だから、甘えてばかりはいられない。
ずっとずっと、孤独だった。
いや、今でも……これからも私は孤独な人生を送るのだろう。
そんな私の日常を変えたのは、六度目の結婚記念日だった。
国王陛下と王妃殿下は私が政務をこなしていれば、夫婦の関係には口を出してこない。
臣下たちは夫から愛されない哀れな女と陰で嘲笑っている。
国民はウィルバート様を称えても、王太子妃についてはいつも何をしているのかと不満を抱えていた。
私が魔道具開発の指揮をとっているから情報漏洩防止のため、家族とは婚姻してから面会はおろか連絡を取ることすら許可されなかった。それが誤解を招き家族からも愛されていないと噂が広まるのは早かった。
愛想のない可愛げのない妃。
執務はできるが懐妊できない妃。
夫に見向きもされない妃。
誰にも愛されない妃。
これらはすべて私のことだ。
私の味方と呼べるのはアレスだけだった。だけど主人と執事という雇用契約の上に成り立つ関係だから、甘えてばかりはいられない。
ずっとずっと、孤独だった。
いや、今でも……これからも私は孤独な人生を送るのだろう。
そんな私の日常を変えたのは、六度目の結婚記念日だった。