捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
「私はこの国を出ます。そしてひとりで生きていきます。出立の前に家族に会いたかったのです」
「姉上、そんな国を出てどこに行くというのですか!?」
「いやよ、やっと帰ってきたのに……! もう充分でしょう!」
セシリオは拳を握りしめてソファーから立ち上がり、お母様は堪えきれずに涙を流している。お父様は領主としての視線を私に向けていた。だからこそ私の決断に反論できないでいる。
「ロザリア……もう決めたんだね」
「はい、勝手をして申し訳ありません」
お父様がそっと目頭を押さえた。わずかに震える肩には、それでも民を守る領主の責任が重くのしかかっている。
これでいい。これが一番いいのだ。これで私の大切なものを守れるなら、この別れの悲しみを受け入れよう。
「わかった。あとのことは私に任せなさい。ただしひとつ条件がある」
「何でしょう?」
「アレスを連れていきなさい。これだけは譲れない。アレス、許可するからロザリアを頼む」
「姉上、そんな国を出てどこに行くというのですか!?」
「いやよ、やっと帰ってきたのに……! もう充分でしょう!」
セシリオは拳を握りしめてソファーから立ち上がり、お母様は堪えきれずに涙を流している。お父様は領主としての視線を私に向けていた。だからこそ私の決断に反論できないでいる。
「ロザリア……もう決めたんだね」
「はい、勝手をして申し訳ありません」
お父様がそっと目頭を押さえた。わずかに震える肩には、それでも民を守る領主の責任が重くのしかかっている。
これでいい。これが一番いいのだ。これで私の大切なものを守れるなら、この別れの悲しみを受け入れよう。
「わかった。あとのことは私に任せなさい。ただしひとつ条件がある」
「何でしょう?」
「アレスを連れていきなさい。これだけは譲れない。アレス、許可するからロザリアを頼む」