捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
 大会議室に到着すると国家の重鎮たちが集まっていた。父上をはじめ母上もその場にいるのは珍しいことだった。

「父上、お呼びと伺って参りました」
「ウィルバートッ!! 貴様、一体何をやったのだ!?」

 ボクが顔を見せた途端、怒号が飛んできた。父上は顔を真っ赤にして、ぶるぶると震えている。こんな風に激しく叱られることなどなかったので、一瞬怯んでしまった。

「……ロザリアとの離縁のことでしょうか?」
「それ以外に何があるというのだ!! 貴様は王太子であるのに、ことの重大さがまるでわかっておらんのか!? すでにこの城にもおらんのだぞ!!」

 周りにいる各部門の長たちが冷めた眼差しをボクに向けている。なぜこんな風に白い目を向けられ、ここまで父が怒っているのか見当もつかない。

「父上、恐れ入りますがロザリアがいなくなったところで、何が問題だというのですか? どうせ大した仕事などしていないでしょう」

 ボクの言葉にあちこちからため息がこぼれた。

< 47 / 239 >

この作品をシェア

pagetop