捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
アレスが用意してくれたプロ顔負けの料理の数々を堪能したあと、お茶を飲みながら今後の生活について相談しようとフカフカのソファーに腰を下ろす。
お茶の用意を終えたアレスがピッタリとくっつくように隣に掛けてきた。さらに当然のように私の腰に手を回してくる。
「ねえ、距離が近くないかしら?」
「お嬢様を口説くと言いましたよね? お嫌でしたか?」
「……嫌ではないのだけど……なんでもないわ」
無駄に整った顔で心底嬉しそうに微笑むアレスに何も言えない。確かに私を口説くと言ったし、宣言通りの行動をしているだけだ。しかも意外なことに少しも嫌ではない。
この距離感はもう諦めて、本題に入ることにした。
「魔道具屋をやろうと思うの」
「魔道具屋ですか?」
「ええ、私の取り柄といったらそれくらいしかないし、魔道具の販売をすればアレスを養うくらいはできると思うの。どうかしら?」
城を出る時から考えていたけど私がひとりで生きていくには、やっぱり魔道具に関わるもので稼ぐしかないと思う。この街に需要がなくても転移の魔道具を使えば世界中に売りに行けるから、アレスに頼らなくてもどうにかなるはずだ。
お茶の用意を終えたアレスがピッタリとくっつくように隣に掛けてきた。さらに当然のように私の腰に手を回してくる。
「ねえ、距離が近くないかしら?」
「お嬢様を口説くと言いましたよね? お嫌でしたか?」
「……嫌ではないのだけど……なんでもないわ」
無駄に整った顔で心底嬉しそうに微笑むアレスに何も言えない。確かに私を口説くと言ったし、宣言通りの行動をしているだけだ。しかも意外なことに少しも嫌ではない。
この距離感はもう諦めて、本題に入ることにした。
「魔道具屋をやろうと思うの」
「魔道具屋ですか?」
「ええ、私の取り柄といったらそれくらいしかないし、魔道具の販売をすればアレスを養うくらいはできると思うの。どうかしら?」
城を出る時から考えていたけど私がひとりで生きていくには、やっぱり魔道具に関わるもので稼ぐしかないと思う。この街に需要がなくても転移の魔道具を使えば世界中に売りに行けるから、アレスに頼らなくてもどうにかなるはずだ。