捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
14話 専属執事の誘惑
* * *
「あ、もうちょっと右! うん、そこでいいわ!」
「では、ここで固定します」
魔道具を使って壁に金具をつけていく。黒くシャープな線を描いたツタ状の金属には楕円形の鉄板がぶら下げられた。
よく見かけるような店舗の軒先で揺れている看板だ。鉄板の縁もツタ模様で飾り彫りして、雑貨店のような雰囲気に仕上げた。
『魔道具屋ロザリー オーダーも承ります』
アレスの手を離れた黒い看板がゆらゆらと揺れている。
ラクテウスの街に来てから一ヶ月で、やっと魔道具屋の開店に漕ぎ着けた。
「アレス、完成よ! ついに魔道具屋ロザリーの開店よ!」
「お嬢様、おめでとうございます。準備を頑張った甲斐がありましたね」
一週間前には市場で買い物しながら、初回オーダー時には割引すると宣伝もしたから気合が入る。
慰謝料はまだまだ残っているけれど、魔道具作成の材料費は高額なものもあるから商売が軌道に乗るまでは油断できない。
「ええ、これからガンガン稼ぐわっ!」
「あまり無理はしないでください」
「無理はしないけど、アレスに美味しいもの食べさせてあげたいのよ」
「お嬢様は本当に……ありがとうございます」
「あ、もうちょっと右! うん、そこでいいわ!」
「では、ここで固定します」
魔道具を使って壁に金具をつけていく。黒くシャープな線を描いたツタ状の金属には楕円形の鉄板がぶら下げられた。
よく見かけるような店舗の軒先で揺れている看板だ。鉄板の縁もツタ模様で飾り彫りして、雑貨店のような雰囲気に仕上げた。
『魔道具屋ロザリー オーダーも承ります』
アレスの手を離れた黒い看板がゆらゆらと揺れている。
ラクテウスの街に来てから一ヶ月で、やっと魔道具屋の開店に漕ぎ着けた。
「アレス、完成よ! ついに魔道具屋ロザリーの開店よ!」
「お嬢様、おめでとうございます。準備を頑張った甲斐がありましたね」
一週間前には市場で買い物しながら、初回オーダー時には割引すると宣伝もしたから気合が入る。
慰謝料はまだまだ残っているけれど、魔道具作成の材料費は高額なものもあるから商売が軌道に乗るまでは油断できない。
「ええ、これからガンガン稼ぐわっ!」
「あまり無理はしないでください」
「無理はしないけど、アレスに美味しいもの食べさせてあげたいのよ」
「お嬢様は本当に……ありがとうございます」