幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
ギュンターの過去
ギュンターは実はロートシルト家の嫡子ではない。
もともとは子だくさんで貧しい男爵家の三男坊として生まれた。
小さな頃から周囲がびっくりするほど勉強がよくできたギュンターは
街一番の天才児と評判になっていた。
このギュンターの噂を聞きつけたロートシルト伯爵夫妻が
多額の支援金と引き換えにギュンターを後継ぎとして引き取りたいと申し出たのだ。
ロートシルト伯爵家は銀行業で身を興した家系で、
その裕福さから『金の亡者』と陰口をたたかれることもあったが、
ギュンターの家族が一生暮らしていけるほどの支援金を用意してくれた。
金と引き換えに我が子を売るなんて、とギュンターの両親は抵抗したが、
家族のためになるならと最後はギュンターがその申し出を受け入れたのだった。
そういうわけでギュンターはマグノリアの片田舎から
ロートシルト伯爵夫妻に連れられて王都にやって来た。
ロートシルト伯爵夫妻はギュンターを実の息子同様に可愛がり、
ギュンターも彼らの愛情を素直に受け止めて成長し、
本当の親子のように仲の良い家族になっていた。
そんなロートシルト伯爵夫妻とギュンターの間に隙間風が吹くようになったのは、
ギュンターが王立男子学院5年に在籍していた時だった。
もともとは子だくさんで貧しい男爵家の三男坊として生まれた。
小さな頃から周囲がびっくりするほど勉強がよくできたギュンターは
街一番の天才児と評判になっていた。
このギュンターの噂を聞きつけたロートシルト伯爵夫妻が
多額の支援金と引き換えにギュンターを後継ぎとして引き取りたいと申し出たのだ。
ロートシルト伯爵家は銀行業で身を興した家系で、
その裕福さから『金の亡者』と陰口をたたかれることもあったが、
ギュンターの家族が一生暮らしていけるほどの支援金を用意してくれた。
金と引き換えに我が子を売るなんて、とギュンターの両親は抵抗したが、
家族のためになるならと最後はギュンターがその申し出を受け入れたのだった。
そういうわけでギュンターはマグノリアの片田舎から
ロートシルト伯爵夫妻に連れられて王都にやって来た。
ロートシルト伯爵夫妻はギュンターを実の息子同様に可愛がり、
ギュンターも彼らの愛情を素直に受け止めて成長し、
本当の親子のように仲の良い家族になっていた。
そんなロートシルト伯爵夫妻とギュンターの間に隙間風が吹くようになったのは、
ギュンターが王立男子学院5年に在籍していた時だった。